30 倉渕村指定 重要有形民俗文化財  下諏訪神社の道祖神

                  指 定  平成3年1月18日

                  所在地  倉渕村大字川浦字井戸入3367

 村内に数ある絵姿像の中で、大きさ、造像技術共に抜群であるだけでなく、優雅で気品を備えた端正な姿態は見る人を魅了する。

 なお、この像に作者銘は入っていないが、村内の石造物に高遠石工銘のものが多いことや、造像手法からみて、信州高遠の石工による作と見ることができよう。女神は襟下から裾に朱線が残り、はだしであることも注目してよいであろう。

 この像がある岩氷は、天文年間に書かれた妙本寺本『曽我物語』の中で、源頼朝が三原野の牧狩りの時通った地とされ、烏川の右岸の中心地である。

 そしてまた、その岩氷の中心地「四つ目町」と「」の境界の信州街道の傍らに建てられたということが、文化の高い像を生み出したといえよう。

 また、この像は天明8戌申十月吉日(1788)の記年銘があり、天明2年に始まり、同3年の浅間山大噴火をはさんでの数年に亘る大飢饉を克服し、将来に希望を持てたことへの自信と雰囲気を感じさせるものである。

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